
ねぇ、栞姉ちゃん。何か面白いマンガ教えてよ。最近流行りのアニメの原作とかじゃなくて、ちゃんとマンガとして評価されてるやつが読みたいんだ。

それなら、この作品なんてどうかな?『約束のネバーランド』。一応アニメもあるけど、この物語の真髄は絶対にマンガで味わうべきだと思うな。

『約束のネバーランド』?聞いたことあるかも。でも、絵柄は結構かわいらしい感じだけど…よくある異世界ファンタジー系の話?

ふふっ、その可愛らしい絵柄こそが、この物語の最初の”罠”なのよ。見た目とは裏腹に、楽園だと思っていた場所の恐ろしい秘密を知った子供たちが、知恵と勇気だけで絶望的な状況からの脱出に挑む…っていう、手に汗握るダーク・サスペンスなんだ。読み始めたら、きっとページをめくる手が止まらなくなるよ。この記事で、その魅力をじっくり解説してあげるね!
偽りの楽園からの脱獄劇『約束のネバーランド』の魅力
『約束のネバーランド』、通称『約ネバ』は、原作が白井カイウ先生、作画が出水ぽすか先生による、とっても素敵な漫画作品なのよ。2016年から2020年にかけて「週刊少年ジャンプ」で連載されていたんだけど、そのちょっぴりダークで先が読めないサスペンスフルな作風は、今までのジャンプ作品とは少し違っていて、すぐに大きな話題になったの。
物語が始まるのは、外の世界から隔絶された孤児院「グレイス=フィールドハウス」。そこで暮らす子供たちは、優しい「ママ」に見守られながら、血の繋がりがなくても、みんな本当の兄弟みたいに幸せな毎日を送っていたの。でも、ある日、主人公のエマとノーマンが、このハウスに隠された信じられない秘密を知ってしまって…。そこは楽園なんかじゃなく、人間を食べる「鬼」に捧げるための「食用児」を育てる農園だったのね。このあまりにも絶望的な真実を知った子供たちが、自由と未来を賭けて、その小さな頭脳と持てる勇気のすべてを武器に、決死の脱獄計画に挑んでいく姿を描いた物語なのよ。
物語を理解するための3つの大切なこと
『約ネバ』の物語を心から楽しむためには、知っておくとぐっと面白くなる、大切なポイントが3つあるの。ここでは、物語の根幹をなす、ちょっぴり複雑だけどとっても魅力的な設定を、私と一緒に見ていきましょうね。
① 食用児と農園(プラント)
子供たちが笑顔で暮らすグレイス=フィールドハウス。表向きは孤児院だけど、本当の姿は、人肉を主食にしている「鬼」たちの社会に、高品質な人間の脳を届けるための高級農園(プラント)なの。子供たちは「食用児」として、脳がよく発達するように高度な教育を受けて、毎日テストで点数をつけられているのよ。そしてある年齢になると、素敵な里親が見つかった、と嘘を教えられて、「出荷」されてしまうの。このあまりにも残酷なシステムが、この物語の始まりなのね。
② 人間と鬼の世界を分けた、古い「約束」
この物語のずっと昔、約1000年前に、人間と鬼の間で一つの「約束」が交わされたと言われているわ。それは、「もうお互いの世界を狩場にするのはやめましょう」という、二度と侵略し合わないための条約だったの。この約束で世界は二つに分けられて、人間は鬼に襲われる心配がなくなったんだけど…。その代わりに、一部の人間たちが「置き土産」として鬼の世界に取り残されてしまったの。その方たちの子孫が、今、食用児として農園で育てられている子供たちなのよ。
③ 生き残るための、知恵と心の戦い
この作品がたくさんの人を惹きつける一番の魅力は、腕力じゃなくて、知恵と嘘、そして心を揺さぶる心理戦で困難に立ち向かっていくところだと思うわ。子供たちは、いつも監視している「ママ」の目をどうにかして欺いて、仲間の中にいるかもしれない裏切り者にも気をつけながら、本当に少ない情報と道具だけで脱獄計画を進めていかなくちゃならないの。誰を信じて、誰を疑うのか…。敵の考えを先読みして、その裏をかくスリリングな展開が、ページをめくる手を止まらなくさせるのよ。
物語を彩る子供たちと、豪華キャストの皆さん

こんなにも過酷な物語を動かしていくのは、とっても個性的で魅力あふれる子供たちと、彼らの前に大きな壁として立ちはだかる大人たちなの。一人ひとりの背景や、キャラクターに命を吹き込んだ豪華なキャストの方々を、一緒に紹介していくわね。
エマ (No.63194)
ハウスの最年長組の女の子。びっくりするくらいの運動能力と学ぶ力、そして周りを照らす太陽みたいな明るさを持っているムードメーカーよ。誰一人として見捨てない、という強い理想を持っていて、そのまっすぐな想いが仲間たちを引っ張っていくの。
「みんなで逃げるんだよ! 全員で!」
年下の家族を切り捨ててでも脱獄の成功率を上げるべき、という現実的な提案に、エマが叫んだ魂の言葉ね。彼女の「家族全員を助けたい」という強い覚悟と、物語の最後まで変わらない優しさを象徴しているの。
声優: 諸星すみれさん
俳優: 浜辺美波さん
ノーマン (No.22194)
ハウスの歴史上、最高の頭脳を持つと言われている天才くん。優れた分析力と観察力、そして誰も思いつかないような作戦を立てる力で、脱獄計画の司令塔になるの。仲間を大切に想うあまり、時には自分を犠牲にするような、少し危うい道を選んでしまうこともあるわ。
「作戦勝ちだよエマ。これで僕らの完全な」
監視者である大人との鬼ごっこで、仲間との連携と自身の知略で見事に勝利した時のセリフよ。彼の天才的な戦略家としての一面と、仲間への深い信頼をさらりと示しているの、素敵よね。
声優: 内田真礼さん
俳優: 板垣李光人さん
レイ (No.81194)
ノーマンと唯一、知性で張り合える現実主義者の男の子。たくさんのことを知っていて、いつも冷静な参謀役なんだけど、その裏ではハウスの秘密に関わる大切な過去をたった一人で背負って、独自の計画を進めていたの。
「俺は家畜じゃない 人間だ」
自分の運命を「家畜」だと、自分を傷つけるように言いながらも、それでも人間としての誇りを捨てずに抗い続けるレイ。彼の心に秘めた熱い炎と、この残酷な世界への強い反骨精神が込められた言葉なの。
声優: 伊瀬茉莉也さん
俳優: 城桧吏さん
イザベラ
グレイス=フィールドハウスの子供たちを育てる、完璧な「ママ」。深い愛情を注ぐ優しい聖母のような顔と、農園の管理人として子供たちを冷徹に管理する監視者の顔、二つの顔を持っているの。物語の最初に立ちはだかる、あまりにも大きな壁よ。彼女自身も、昔は農園の食用児だったという過去が、物語に深い悲しみと奥行きを与えているわ。
声優: 甲斐田裕子さん
俳優: 北川景子さん
クローネ
イザベラの補佐、そして監視役としてハウスにやってきた「シスター」。とても野心的で、ちょっと変わった性格をしていて、イザベラを出し抜いて自分がママの座につこうと企んでいるの。彼女の予測できない行動が、子供たちの計画に思わぬ影響を与えていくことになるわ。
声優: 藤田奈央さん
俳優: 渡辺直美さん
いろいろな楽しみ方と、おすすめの商品

『約束のネバーランド』は、原作の漫画だけじゃなくて、アニメや映画、小説みたいに、色々な形で楽しむことができるのよ。それぞれのメディアが持っている素敵な特徴を知ると、もっともっと作品の世界が好きになるはず。ここでは、それぞれの魅力と、最初の一歩にぴったりな商品を紹介させてね。
原作漫画 (全20巻完結)
全ての物語の始まりであり、一番深く、完璧な形で物語を体験できるのがこの原作漫画よ。細かく張り巡らされた伏線や、思わず息を呑んでしまう展開、そしてキャラクターたちの心の動きが丁寧に描かれていて、本当に圧巻なの。「このマンガがすごい!2018」のオトコ編で1位になったり、たくさんの賞も受賞しているのよ。物語の結末まで、しっかりと自分の目で見届けたいあなたには、まず原作から読むことを心からおすすめするわ。
約束のネバーランド 1巻
グレイス=フィールドハウスでの偽りの平穏が崩れ落ちる、すべての始まりの物語。エマ、ノーマン、レイが世界の残酷な真実を知って、脱獄を決意するまでが描かれているわ。この1冊を読めばきっと、この作品が持つ特別な魅力の虜になってしまうはずよ。
リンク先では1巻を無料で読めるから気軽に読めるわね。
TVアニメ
アニメーションの制作を担当したのは、とっても綺麗な映像で有名なCloverWorksさん。特にSeason 1は、原作が持つハラハラするような緊張感をそのままに、声優さんたちの素晴らしい演技も加わって、国内外ですごく高い評価を得たの。一方で、Season 2は原作の展開を大きく変えたオリジナルストーリーになっていて、ファンの方たちの間でも色々な意見が交わされたわね。
約束のネバーランド Season 1
原作の「脱獄編」を完璧に映像化した、傑作と名高いシリーズよ。音楽や演出が、キャラクターたちの心の中にある恐怖や焦りを巧みに表現していて、一つの映像作品として本当に完成度が高いの。初めてこの作品に触れる方にも、安心しておすすめできるわ。
実写映画
2020年の12月に公開されて、興行収入が20億円を超えるくらい、たくさんの人に観てもらえた映画よ。浜辺美波さんや北川景子さんといった豪華な俳優さんたちが集まって、原作の「脱獄編」を、実写ならではの大きなスケールで描いているの。子供たちの出荷年齢が原作より少し引き上げられているなど、ちょっとした違いもあるから、原作を知っている方も新鮮な気持ちで楽しめると思うわ。
映画 約束のネバーランド
GFハウスの美しい風景と、その裏に潜んでいる不気味な雰囲気のコントラストが、映像で見事に表現されているの。渡辺直美さんが演じるクローネも、原作のイメージにぴったりですごく素敵だから、そこもぜひ見てみてほしいな。
小説版 (全4巻)
漫画本編では描かれなかった、キャラクターたちの過去や何気ない日常を、もっと深く知ることができるスピンオフ作品よ。ノーマンやイザベラ、クローネといった人気キャラクターたちの、今まで知らなかった一面が描かれていて、物語の世界がもっと立体的に感じられるようになるの。ファンなら絶対に読んでおきたいシリーズね。
小説版 約束のネバーランド~ノーマンからの手紙~
小説シリーズの第1弾ね。出荷が決まってしまったノーマンが、残していくエマとレイに宛てて書いた手紙の物語が中心になっていて、彼の優しい心の内が丁寧に描かれているの。本編の裏側を補ってくれる、胸が熱くなるようなエピソードがたくさん詰まっているわよ。
あなたにぴったりの鑑賞ルートは?
「どのメディアから楽しめばいいのかしら?」って迷っているあなたのために、楽しみ方に合わせた2つの素敵なルートを提案させてね。あなたの目的に合ったルートを選んで、『約束のネバーランド』の世界へ、さあ、一緒に飛び込んでみましょう。
①【王道】物語の真髄を味わいたいあなたへ
推奨ルート: 漫画 → アニメ Season 1
この作品が持つ本当の魅力を、余すところなく味わいたいなら、まずは原作漫画(全20巻)を最後まで読んでみるのが一番よ。壮大な物語の結末まで自分の心で見届けた後で、傑作と名高いアニメSeason 1を観ると、キャラクターたちが動いて、声を発する感動を改めて感じることができるの。これが一番満足できる、王道の楽しみ方だと思うわ。
②【入門】手軽に世界観に触れてみたいあなたへ
推奨ルート: アニメ Season 1
「まずはどんなお話なのか知りたいな」「長い漫画を読むのはちょっと時間がないかも…」という場合は、アニメSeason 1(全12話)から始めてみるのがおすすめよ。作品の心臓部とも言える「脱獄編」が、本当に素晴らしいクオリティで映像になっているから、これだけでも『約ネバ』が持つ独特の魅力とスリルは十分に感じられるはず。もし観てみて「この先の物語が気になる!」って思ったら、その時にぜひ、原作漫画を手に取ってみてね。
約束のネバーランドの歩みと心に残る音楽
2016年に連載が始まってから、あっという間に社会現象になるまで、『約束のネバーランド』がどんな風に歩んできたのか、年表で一緒に振り返ってみましょうか。それから、各メディアを素敵に彩ってくれた、印象的な主題歌たちも紹介させてね。
主題歌リスト
シリーズ | 種別 | 楽曲名 | アーティスト |
---|---|---|---|
Season 1 | OP | Touch off | UVERworld |
Season 1 | ED | 絶体絶命 / Lamp | Cö shu Nie |
Season 2 | OP | アイデンティティ | 秋山黄色 |
Season 2 | ED | 魔法 | Myuk |
実写映画 | 主題歌 | 正しくなれない | ずっと真夜中でいいのに。 |
海外での評価:なぜSeason 2で意見が分かれたの?
この作品は、日本だけじゃなくて海外でも本当にすごい人気なの。でも、その評価はメディアによって、まるで天国と地獄みたいにはっきりと分かれてしまっているのよ。特にアニメのSeason 2は、海外の大手レビューサイトで、とても低い評価がついてしまうという、ちょっと珍しい事態になったの。その背景にはどんな理由があったのか、少しだけ解説させてね。
絶賛されたもの:原作漫画 & アニメ Season 1
「少年ジャンプ」という枠には収まらない独創的な設定、先の展開がまったく読めないサスペンス、そして巧みな心理描写は、海外の漫画やアニメが好きな人たちにも大きな衝撃を与えたみたいなの。特にアニメのSeason 1は「完璧なアニメ化だ」とすごく褒められていて、MyAnimeListみたいな大手レビューサイトでも、いつも高い点数を記録しているわ。「傑作」だって、たくさんの人が言っているのよ。
厳しい意見が多かったもの:アニメ Season 2
Season 2は、原作ファンにすごく人気があった「狩りの庭(ゴールディ・ポンド)編」みたいな大切なエピソードを、ばっさりと省略してしまって、物語の結末までを駆け足で描いたのね。キャラクターたちがどう成長して、どんな風に葛藤したのかが十分に描かれなかったり、たくさんの伏線がそのままになってしまったりしたから、原作を愛するファンの方たちから「物語の魂が抜かれてしまったみたい」「これはひどい」とまで言われてしまったの。この、あまりにも大胆なストーリー変更が、海外のファンの方たちの深い悲しみを招いてしまった一番の理由なのね。

なるほど、見た目の可愛さとは裏腹にそんなに深い話なんだ…。
わかった、栞姉ちゃんを信じてまずは漫画から読んでみるよ!なんだかワクワクしてきた!
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